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『Wicked』電通四季劇場[海] 08/1/20マチネ
 日曜に行ってきました、10月以来の海劇場。
 土曜マチネが新キャストだったそうなので順番的に日曜もそうかな? と予想していたらやはり、でした。新グリンダ&ボックの2公演目。
 と言っても、わたしはエルファバとフィエロ、ディラモンド先生以外のキャストも初見だったもので、初めてだらけだったのですが。
 おかげで楽しかったです〜。1、2回目は両方ともオリキャス面子だったので。

 しかしこうして見るとやはりバランスが良いですね、オリジナル・キャスト陣は。わたしが制作スタッフでもあのメンバーを選びます。是非オリキャスCDを出してほしい!

 今の四季で1つのカンパニー内のバランスが真に考慮されているかは結構疑問なので、そういう意味でも『Wicked』の日本初演を観られたのはわたしにとって貴重な体験になりました。
 さて、汐留ではどれくらい公演するのでしょうね? あの凄まじい舞台装置を使うとなると、最低でも2年はロングランするのではと勝手に思っているのですが。

 ま、先の話は置いといてとりあえず感想です。
 3回目にしてやっと書いたせいか、なんか長くなってしまった。

 この回の注目はとにもかくにもグリンダだったわけですが。
 苫田さんすごく良かったです! デビュー2公演目でこれなら大満足だなー、さすがですねえ。個人的に苫田さん大好きなので、どんどん活躍の場を広げていって下さって嬉しい限りです。

 苫田さん、地声でドスきかせる必要の多いグリンダの方がクリスの時より太い声が出てると思います。
 クリスの時はアニメ声と評されているのをweb上でよく見掛けましたけど、今回はあんまりそうは思われないんじゃないかな? どうだろ。

 しかしあのクリスでアニメ声って…元オタク(別に今でも好きだがどう考えても超絶失格レベルでしか漫画やゲームに触れてないんで、元)として言わせてもらいますと、あんなん全然ですよ? いやマジで。
 世の中には色んな声質の方がいるのねえと、たまにアメイジングボイス(何)を耳にすると度肝抜かれますです、ハイ。

 ひじょーに関係ないが、声優ならわたしは井上和彦氏(『ANUBIS Z.O.E』のディンゴとか)のファンだなー。…関係ないな!
 あ、でも『ANUBIS』はマジで目茶苦茶お勧め! 超名作です。360度全方位のシューティング・アクションがOKな方は是非! 対空中艦隊戦とか荒野乱戦は燃えるぜー! ……超絶関係ないな!!


 もとい。
 苫田さんを観た後だと、沼尾さんが生まれ持った声質がどれほど美しいかを再認識します。苫田さんが悪いのでは全く無く、沼尾さんの声質が稀有だなって意味で。
 沼尾さんはクラシック界じゃなくてミュー界で絶対正解! 四季に来てくれてありがとーっ!
 彼女はほんとに透明感のある美しいお声の持ち主ですねえ。NHK教育でやった番組内でも、USのスタッフから声質を絶賛されてましたよね。わたしもほんと大好きだ〜。台詞の開口っぷりが美しくなればもっと良くなるのにい〜(汗)。
 うーむ、やっぱり未見のベルも観たいなあ。グリンダがあと一人増えれば、出られる可能性あるかなあ。

 苫田さんの方が、いかにもクラシック声楽系って感じる歌でした。超絶高音部とかが特に。超高音で歌い上げる「♪ウィ〜キーーッ(ド)…!」とか、素晴らしく美しい〜! グリンダ役者の聴かせどころですね。
 そしてこんなのがあるから声楽系の役者さんでないと厳しいのでしょうね、グリンダは。全員クリス役者だもんな〜。

 とか何とかウットリ油断しているとすんごいドス声繰り出してくるので、ビビりつつ爆笑(笑)。ああ、大阪人なのね苫田さん…。
 シズ大学のエルファバ部屋割りシーンで、挙手して「モリブルせんせーーーッ!!!」(※超ドス声)が凄かったー!(笑) 今の誰じゃーーい!! と一瞬本気で思ったよーっ!!


 でで、いかにもクラシック唱法っぽいところだけでなく、「Popular」なんかもがっつんがっつん声出てて良かったです。わたしは苫田さんはクリスしか観たことないのでこういうポップス系の歌は初めて聴きましたけど、表情豊かで聴き応えある歌いっぷりでした。

 ちなみにここでの壊れっぷり、沼尾さんは「にゃはははは〜っ!!」系ですが、苫田さんは「だははははーッ!!」系です(笑)。
 も、もうほんと最高…(笑)。
 ていうかわたしはグリンダというキャラ自体がとても好き。この作品で断トツ一番好きだな。


 そういうわけで、キャラ嵌まってるし芝居もOKで、良き新グリンダだと思います。
 グリンダというキャラ造形を知った時から、これは苫田さんいずれ来るだろうな〜とは思っていましたが、予想通り安心して観られる嵌りキャストです。
 芝居の深みは沼尾さんが経験で若干リードしているかな〜。でもクリスデビューの時も「おおっ」と思わせてくれた苫田さんだけあって、今回もデビュー直後なのにバッチリでしたよー。(…いや、それって当たり前なんだけど、最近の四季はロングランであることに甘えてないかいと思うことがたまに…あるので…。四季以外でロングランじゃないのにアレな人も以下略)


 エメラルド・シティへ旅立つエルファバを見送るシーンの、フィエロに不安を抱くグリンダの台詞「みんな、どうやってこの気持ちに耐えてるの…!?」(ウロ覚え)の言い方は沼尾さんのが好きかな〜。エルファバがちょっと呆れながらもやさしく彼女を労るのがよく響いてると思う。

 2幕の捕らえられたフィエロの手を取って「ただ…彼女を愛しているだけなのよ……」(やはりウロ)は、苫田さんがすっっごく良かった!! フィエロがその言葉に打たれて「許してくれ…!」って言うのが痛いくらい伝わってきて、涙が出てしまった。
 あの言葉を聞くまでは、フィエロはどこかでグリンダを裏切ったことなんて構いやしないと思っていたと思う。でもグリンダがフィエロを、そしてエルファバを心から想っていることをあの一瞬で悟った瞬間、初めて済まないと想ったのかなあ、なんて。
 やっぱりこういうの上手いなあ、苫田さん。彼女のそういうところがわたしは好き。


 ラストで醸し出す雰囲気も好き。これはお二人とも上手いです、長時間立ち尽くしているだけだけど、物語るような空気を纏い続けてて目を引かれてしまう。下の二人とどっちも観たいけどどうしよおおおと毎度困るシーンです…。

 エルファバが「隠れて!」って引く幕って、それこそ二人の永遠の別れを象徴する帳そのものなわけで。あの布が広がるにつれて、ああもうこの二人は二度と会うことは無いんだと感じて泣けてしまいました。
 そして立ち尽くすグリンダへチステリーが発した言葉、「ミス、グリン…ダ」。これはキタわ〜!
 3回目にしてやっと気付いたのですが、これってあれですよね、エルファバが最初に教えた、或いは最もたくさん教え続けてきた言葉が親友の名前だったってことなんですよね!? なな、泣かす…。

 グリムリーを胸に抱いてシャボン玉サークル(勝手に命名)に佇むグリンダの何とも言えない眼差し、非常に良いです。胸に迫りましたよ。
 得たもの、失ったもの、決意と覚悟、背負い続けるもの、大切な思い出…。
 この物語はグリンダとエルファバの成長物語ですが、特にグリンダの成長は見てて楽しい。
 もうティーンエイジじゃないので、法則に則り案の定グリンダのが好きなわたしであった(笑)。でもその頃に観たとしても、多分わたしはグリンダがお気に入りになると思うけどなあ。


 ええとまあそういうわけで苫田グリンダとっても良かったので、あとはスタミナをもうちょっとつけて欲しいかな。2幕は大丈夫でしたけど、1幕ラストのエルファバとのデュエットあたりが、音域とかの問題ではなくスタミナ切れしかけてたように見えたので。ハードだもんなあ1幕…。

 ていうかこの回で既に、歌い上げるような時にところどころで声がざらついちゃってましたが、あれで週何公演もやって大丈夫なのかーーっ!! 難曲揃いなのでお稽古しまくってたのだろうと推察しますけれど、喉壊さないようにして頂きたいです、ホント。
 ざらつくといえば、オープニングのグリンダ登場時にマイクががさごそ言っちゃってて萎えました(涙)。最も彼女に注視したいシーンだったのにい。


 グリンダのことしか書いてないですね…。
 ええと他の初見キャスト、とりあえず栗原英雄オズ陛下かっちょええ〜〜〜!!! 堪りませぬ。でもオズの魔法使いのイメージなら松下さんの方がしっくりはくるかな。オズって草臥れた冴えないおっさんキャラだからこそ見せかけで周囲を威圧してるのでしょうから、松下オズ様のが小物感が出てたと思う。今のままあり続けねばという強迫観念を薄ら感じさせると言うか。
 栗原オズ様はあんなカラクリで威圧してないで、東宝トートばりのものすんごいコスプレでもして国民の前に立った方がウケると思うな!(笑)


 山本貴永ネッサローズ。おお〜カワイイ! すっとした面差しの綺麗なネッサローズでした。
 小粥ネッサはとにかく台詞の開口っぷりが凄まじかったのですが、山本ネッサはその点とても綺麗。ならば何故彼女がオリキャスではないのかなーというと、歌と演技の凄みかな? 小粥さんの方が歌は聴かせるし(元々少ないですが)、演技が印象に残ります。それだけに開口激しいのが非常に勿体無いので、何とかもうちょっと頑張って下されー(涙)。
 山本さんは台詞と歌で結構声色が違ってしまうのが惜しいな。歌がいかにも歌ってます声(なんじゃそら)になってしまうので、それがちょっと。


 伊藤綾祐ボック。間の取り方がちょっと間延びしているというか、タイミングちょっと遅くね? と感じさせるところが2カ所くらいあったかも。感情の動きだけでなくテンポも考慮した芝居が好きなわたし的にはそこだけ要改善かと。
 あとは普通に良かった、かわいい(?)ボックでした。出てきた頃からボックってグリンダを見つめまくってるんですねえ。この日はグリンダを目で追いまくっていたせいで、よくわかりました。

 「ボックだってば!!」と言うのに込められた感情は、やはり金田さんに一日の長ありだな〜。こ、こいついつか絶対キレる…! と思わせる響きがありましたから(怖)。
 ていうかボックってグリンダに告ったり、ネッサにひたすら事務的に対したり、群衆の前で叫んだりと意志が固ーーいのに、惚れたグリンダ本人を憎んだりとかしてない不思議なヤツですね。種族的性質なの、本人の性質なの??
 とりあえずアレだ、わたしがこの世で怖いと思うものベスト10に食い込むのは「集団ヒステリー」「女の嫉妬」そして「男の純情」だったりするので、ちょっとボックが怖い(笑)。
 まあでもボックに関してはグリンダが酷いよな…(汗)。ほんっっとーーに興味ないんだね…。そして男として範囲外だからこそ気にかけたくないのだろう。
 …何か…ボックってかなりかわいそうじゃないですか…?(大汗) 身体もアレだし…。
 ていうか、エルファバって魔法の才能は凄いけれど、センスが無いですよね…(涙)。

 武木綿子マダム・モリブル。以鶴美モリブルのようなゴージャス! でもあれは普段着ですから!!感(何)漂うマダムとはちょっと違う、上品なモリブル先生でした。序盤なんかはほんとに信頼に能う先生って感じ。やさしそうです。
 それだけに後半の、特に「お嬢ちゃん!」なんて言うところがヒイイイ! であります。グリンダが息を呑むのも納得と言うか。こわいよー!(涙) 表層に感情を出さないタイプのが世の中怖いんじゃよー!


 濱田エルファバは相変わらず素晴らしい。ところどころにちょこっと遊びを入れてきているように感じました。余裕が出てきたのかしら。
 自分を守るため、心に鎧を纏うのではなく剣で武装する攻撃タイプのエルファバというキャラをよく体現していると思います。彼女は歌がとにかく素晴らしいけれど、演技も声色や言い回しなど巧みに使い分けていて良いですね。うーむ貴重な人材ですなあ。知寿さんみたいに燃え尽きさせたら承知しませんよ代表…。

 李涛フィエロ、こりゃまた相変わらず歌が良いわダンスステップは見惚れるわ、かっこいいです。いわゆる美形じゃないですけれど、十分かっこいいと思いますですよ。
 問題は台詞の訛りに尽きると思うのですが、10月の時点でありゃまだヤバイなあって感じだったけれど、今回は…おおっ、かなり自然な言い回しになってるじゃないですか! これくらいなら殆ど気にならないです。ところどころで改善して欲しいところはありましたけれども。
 李フィエロは歌だと訛りはほぼ全く気にならないし、第一素晴らしい声と歌唱力なのでわたしはかなり好きなのですが…それだけに台詞を何とか頑張って頂きたく…。もうそれしか言えない…(色々葛藤が…)。

 彼はダンスは勿論、歌が本当に素晴らしいですね〜。スキンブルの時は猫が演目初見だったせいもあってそこまで印象に残っていなかったのですが、フィエロは歌的に滅茶苦茶嵌ってると思います。濱田エルファバとのデュエットなんて聴福。
 しいていえば演技的にもっとチャラ男度増してほしいかな。最初からかなりいい人そうなので(笑)。
 ダンスパーティでグリンダと抱き合ってるシーンはなかなか健康的にお色気で良かったです、二人とも。シビレました。


 ダンスで思い出したけれどこの演目はアンサンブルのダンスも見応えがあって良いですねー。ブロードウェイ発作品て、ダンスが多い印象があります。やはりショーアップされているタイプの作品のがウケるのかしら。観光客がメイン客層だと聞きますし。

 あとは装置及び衣装が何度見ても素晴らしいですね〜。これはトニー賞獲得というのも文句無しで頷けるものかと思います。お金かかってるらしいですしね。
 装置に関しては、かなり場面が転換するのに淀み無く進行するのは見事だと思う。あれだけ豪華なセットなのになあ。
 衣装はとにかく素敵。マジで全部着てみたい! でも一番着てみたいのはなにげにグリンダのあのドレスだったりする。やっぱりあれは女子の夢の原風景でしょー(笑)。


 苫田さんの感想だけ書いて終わりにしようと思っていたけど、堪っていたもの大放出になってしまいました。

 『Wicked』って、上手く言えないけれどライトノベルのような演目だと思います。
 実際この作品の位置づけって、『オペラ座の怪人』における『ファントム(スーザン・ケイ版)』みたいなものなのですよね? それとも公式サイドストーリーなのかしら。

 正直言うとわたしはこの話って、辻褄は合ってる…というか合わせてますけれど、色々無理があると思います(汗)。グリンダとエルファバはそんなに気にならないけれど、ライオン・ブリキ・カカシの設定あたりが特に。そういうのをあまり気にせず目の前のストーリーを楽しむぶんには許容範囲かなとは思いますが。

 うーん、オズが国民的物語であるUSの評価ってどうなんだろう。いや大ウケしているみたいではありますが…。そうか、アリなのかあ。でもティーンの女の子に特にウケているんでしたっけ。色んな客層の話を聞いてみたいものです。
 あれだなあ、わたしって演劇はまず脚本ありきの人なのかも。メジャーな作品(成功している作品)しかほぼ観ていないのでこれまで特に意識してなかったけど。これからも余り意識しないで済む観劇ライフ希望です。

 それにしてもこの作品の魅力は役者にかかってると思う。役に助けられるというよりは役者に助けられる演目かなと。そしてそれが成功しさえすれば、非常に魅力的な作品なのではないかな。
 そして女子にお勧めしたい演目です、女子。男子はだめってわけじゃないけど、やっぱり女の友情物語だから、女子のがきゅんときますって。ビンタ合戦とか最高ですって!(笑)

 まだ1階で観たことが無いので、一度は観てみたいなー。
 あと2枚持っているのですが、両方2階だ…。俯瞰の方が見応えあって好きなもので。あと安いからね(笑)。
 さて、いつ観られるでしょうか。
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